2009年から市の財政問題で休止している生きがい文化センターのパトリアホール。開設から20年を経過し、改修もされないまま芸術祭だけの使用に限られていましたが、昨年から市においてようやく今後の利用方法の検討がなされ、一つの提案がなされていたところです。それはパトリアHの再開は簡易な利用だけに限り、その代替措置として「み・らい」の使用料の軽減を行い、市民の文化活動を支援するというものでした。そこで注目されたのが、芸術祭の運営を委託されている文化連盟の対応でしたが、残念ながら結論を保留し、これまで通りの芸術祭だけはパトリアHでの開催を続けるというものです。
さて、私は2011年から市内の舞台関係者と共に、何とかパトリアHを再開出来ないか検討を重ねてきました。財政問題で休止になったのですから、以前のようなプロの技術者が付いた至れり尽くせりの運営ではなく、舞台をある程度知る市民による自主運営の方法を市に提案してきました。同時にスムーズな再会をさせるために、舞台機器のメンテナンスのサポートも行っていたのです。その中で分かってきたのは、やはり20年を経過すると機器の経年劣化は進み、もう大改修が必要だということです。これは機器の故障だけでなく、利用者の安全を図るためにもです。
そこで検討の方向を変更し、真に市民文化に必要なものを求めるものでした。ほとんどの市民サークルの公演に必要とされるのは小規模施設であり、自分たち自らで舞台運営することです。それからすると、経済センターはもう少し機材が充実(特にピアノの設置)していれば使い易いですし、他の施設ではほとんど使用料の減免措置があるのに、入場料等を取ると減免が適応されないところを見直していただければ利用しやすくなります。同時に、パトリアH再開を諦めるなら、「み・らい」使用料の軽減も必要です。これらからすると、今回の市の提案は不十分ではありますが、良い方向だったと思います。
さて、その中で文化連盟の対応はどうなのでしょうか。確かに芸術祭は市民文化にとって一大事業ですが、それだけにこだわらず、全体の文化振興に目を向けてほしいと思います。芸術祭は無くなる訳ではなく、「み・らい」で実施できるのです。文化センターやみ・らい開設時に置き去りにされた、身の丈にあった施設の必要性を今こそみんなで考えなくてはならないと思います。