私の地元とその出身音楽家を繋ぐコンサートとして30年続けてきた「ふるさとコンサート」が先日終了しました。随分長い間続けたものです。そして色々な企画を試みたものです。一緒に運営してきた仲間にも感謝しています。
始まりは地元出身の音楽家の方が所属する弦楽四重奏団中心のコンサートでしたが、地元在住の方との共演やここ数年は管楽器の地元出身者がいるので、その方との共演という形を取り、よりコンサート名に相応しい内容となっていたと思います。
始まりの頃は今回の演奏会場となっている施設の自主事業でした。しかし、長年続けると行政は手放すので私たち仲間の自主運営となっていましたが昨年はその施設が開設30年だったので、再び自主事業として地元出身フルート奏者との共演で素晴らしい内容となっていました。
そして今年はまた自主運営で行政やどこの支援もない状態で本来開催は厳しい状態のはずでしたが、地元出身のすばらしい若手クラリネット奏者の方と縁ができたもので、何がなんでも開催しなくてはならないと思ってのことでした。
開催直前になって施設の老朽化問題があり、その対応策に相当悩み、演奏者にもお客様にも厳しい環境にならざるを得ない状況に、本当に申し訳ない気持ちが募り心身ともに辛い状態でした。
幸い故障したところが開演直前に少し改善され最悪の状態は回避できたこと。そして私たちの何とかしようと最後まで対応策を練る姿に、出演者は素晴らしい演奏を聴かせていただきました。本当に感謝しかありません。お互いがどこまで誠意を持ってこの公演を盛り立てるか、そこに信頼関係が生まれ、このような公演になったものと確信します。
しかし、残念ながらこの施設は市が運営していた時のある時点から今の指定管理の時になっても、もはや利用者への思いやりが感じられるものはなくなってしまったように思えてなりません。それは、この施設が市民が集う場所のはずなのに、経費節減の名の下に、集う人への思いやりが薄らいでいる感じがします。
素晴らしい地元出身者がいて、まだまだ公演してもらえる意思はあるのですが、残念ながらもうこの街にはそれらの方々を迎える施設はなくなってしまったように思えます。私自身もこの街への想いは薄れてしまった状態です。


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